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こちらの記事をお読みの方の中で、老後資金を作るための一つの手法として、個人年金を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

個人年金に加入することによって、老後資金の足しになるメリットがあるのと同時に、実は節税効果があるのも必要のメリットとして挙げられます。

日本では年金は3階構造と言われています。1階は国民年金の部分、2階が厚生年金の部分、そして、3階が国の諸制度を利用して準備する自助努力の部分となっています。

日本の年金は高齢化社会が進む中で、支給年齢が引き上げられ、給付額も減少傾向にあります。そのため、年金準備における自助努力の必要性は増加すると言われています。少し前に話題になった2,000万円問題はまさにこの自助努力のことです。

そこで今回は、普段から数多くの個人年金を提案しているが、その3階の準備方法として利用されている手段の1つである、個人年金保険の仕組み、節税ができる理由、損しない個人年金の選び方などについて書いていきます。

個人年金を検討されている方、個人年金の節税ができる仕組みを知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1、なんで個人年金は節税できるの?保険料控除の仕組み

生命保険料控除という制度を利用して、節税をすることができます。

(1)そもそも生命保険料控除とは

生命保険料控除は、各種保険に払った年間の保険料に応じて一定額が所得から差し引かれます。その結果、所得から計算され課税の対象となる課税所得も下がりますので、所得税の節税につながる、ということになります。

下記の国税庁の図を見て頂ければ分かりますが、生命保険料控除を利用できるのは

  • 生命保険
  • 介護医療保険
  • 個人年金

と大きく3種類の保険を控除を利用することができます。

個人年金で節税するには、この個人年金の保険料控除枠を利用することです。

出典:国税庁

(2)税制改正により生命保険料控除に変更がある

生命保険料控除制度は2010年の税制改正により、契約が締結した時期によって「新契約」と「旧契約」に区分が分けられました。

新契約と旧契約では、控除される額、控除の対象となる保険、そして控除額の計算方法が異なります。ここから、新契約と旧契約に分けてそれぞれ見ていきます。

①生命保険料控除の「旧契約」

まずは旧契約について見ていきましょう。

■「旧契約」で控除を受けられる保険種類は2つ

旧契約の場合は、控除を受けられる保険の種類は

  • 一般生命保険
  • 個人年金保険

2種類になります。

一般生命保険には

  • 終身保険
  • 定期保険
  • 学資保険
  • 養老保険

など、これらは生存または死亡が理由で保険金を支払う保険になります。

一方、個人年金保険は個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険が対象になります。

■「旧契約」の契約日付は

なお、旧契約は「2011年1231」までの保険契約が適用されます。

■「旧契約」の控除額の計算方法

旧契約は以下の表のように、年間の支払い保険料によって、控除額が決定されます。

出典:国税庁

実際にどれくらい控除額があるのか、以下の条件で保険に加入していた場合の控除額を計算してみましょう。

  • 加入時期:2000531日(20歳)
  • 保険種類:個人年金保険
  • 保険料 :7,000/

この場合年間84,000円払っているので、84,000円×1/4+25,000円=46,000円が控除額となります。

なお、旧契約では控除額の満額が各保険においてそれぞれ5万円で合計10万円になります。

②生命保険料控除の「新契約」

続きまして、新契約について見ていきましょう。

■「新契約」で控除を受けられる保険種類は3つ

新契約の区分では、旧契約の2つの保険に加え、介護医療保険が対象に加わります。

介護医療保険には

  • 医療保険
  • がん保険
  • 介護保障保険

など入院・通院や介護が理由で保険金を支払う保険が対象になります。

■「新契約」の契約日付は

新契約では、「2012年11」からの保険契約が適用されます。

■「新契約」の控除額の計算方法

新契約は以下の表のように、年間の支払い保険料によって、控除額が決定されます。

出典:国税庁

実際どれくらい控除額が出るのか、控除額を計算してみましょう。

  • 加入時期:2012727日(20歳)
  • 保険種類:個人年金保険
  • 保険料 :7,000/

この場合も年間84,000円払っているのですが、新契約の場合は80,000円を超えると一律40,000円の控除額となりますので、この場合の控除額は「40,000円」です。

なお、新契約では控除額の上限額が、各保険においてそれぞれ4万円で合計12万円になります。

一見すると控除額が下がってしまい、税制が改悪されたように見えるかもしれません。しかし、旧契約では一般生命保険の枠に含まれていた介護医療保険の枠が新たに設けられ、別々に控除を受けることができるようになったため、全体でみると控除枠が広がり、私たちの税負担は軽減されたと言えるでしょう。

2、個人年金の保険料控除を受けるための条件は?

前の項で述べたように、個人年金保険が控除の対象となるためには、個人年金保険料税制適格特約を付加しなければなりません。

しかし、どのような個人年金保険でもこの特約が付加できるわけではなく、保険の契約内容に受取人と期間について条件があります。

条件は全部で下記の5つあります。

  • 年金を受け取る人が被保険者と同じである
  • 年金を受け取る人が本人またはその配偶者である
  • 保険料の払込期間が10年以上である
  • 有期・確定年金は年金受取開始が60歳以上
  • 年金受取期間が10年以上である

(1)受取人について

受取人についてですが、配偶者以外の親族は条件に該当しないことを注意しておきましょう。

例えば

  • 契約者:夫、被保険者:夫の場合、受取人は「夫」に限定されます。
  • 契約者:夫、被保険者:妻の場合、受取人は「妻」に限定されます。

(2)保険の払込期間について

加入期間について特に重要なのは、払込期間が10年以上でなければいけません。中には保険料を一括払いできるケースもありますが、その場合は1度に全ての保険料を払うことになりますので、一時払いは適用されないことを注意しておきましょう。

上記の5つの条件を全てクリアしないと個人年金の保険料控除には適用されないですが、場合によっては一般生命保険料控除に適用される可能性があります。つまり、個人年金控除の枠に適用されなかったら、一度一般生命控除の枠を確認しましょう。

3、個人年金の保険料控除の申告方法は?

個人年の保険料控除は、ご自身の立場によって申告方法が異なります。

(1)給与所得者の場合

給与所得者の場合は、会社の年末調整で控除を受けることになります。

毎年11月頃に保険会社より発行される「生命保険料控除証明書」を給与所得者の保険料控除等申告書に記入し、企業へ提出することで完了となります。

(2)自営業者の場合

自営業者の場合は確定申告で控除を受けることになります。

毎年2/153/16の確定申告期間中に、忘れずに申告をしましょう。

4、節税だけを目的にしない!損しない個人年金の選び方は?

一般的には個人年金は公的年金とは別で、老後資金を準備する必要の手法として加入されている方が多いです。そのため、30-40年と長い年月で加入されている方がほとんどです。損しないためには、加入の前に各保険を比較して、自分の理想とする老後に合わせた加入することが重要になります。

とは言え、数多くの個人年金の商品の中から、商品を選ぶのはなかなか難しいでしょう。下記にて日頃私が提案する時に商品を比較する7つのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

(1)年金を受け取る期間

1つ目のポイントは年金を受取る期間で比較することです。

①終身タイプ

終身タイプは、年金の受け取りを開始してから被保険者が亡くなるまでの期間年金を受け取ることができます。

多くの保険には、保障期間が設けられており、その期間内で亡くなった場合は、残りの年金は遺族が一括で受け取ることができます。

  • メリット :長生きするほど、受取金額が増える。
  • デメリット:早期に亡くなると払い込んだ保険料より受け取る金額が少なくなるが、保障付きの保険だと、保険料は割高になる。

②有期タイプ

有期タイプは、契約時に定めた期間(5-15年程度)のうち、被保険者が生きている間年金を受け取ることができます。

期間中に被保険者が亡くなってしまった場合はその時点で支給は終了します。

  • メリット :終身タイプより保険料が割安。
  • デメリット:早期に亡くなると払い込んだ保険料より受け取る金額が少なくなる。

③確定タイプ

確定タイプは、契約時に定めた期間(5-15年程度)、被保険者の生死に関わらず、年金を受け取ることができます。

  • メリット :決まった金額を受け取れる。終身年金より保険料が割安。
  • デメリット:受給期間以上に生きた場合は、貯金や年金などで補わなければならない。

(2)積立利率について

2つ目のポイントは積立利率で比較することです。

①固定型

固定型は、契約時の積立利率が市場の金利に関わらずずっと変わりません。

  • メリット :将来の資産の計画が立てやすい。変動型より保険料は割安。
  • デメリット:インフレに弱い。金利上昇の恩恵を受けられない。

②変動型

変動型は、積立利率が一定期間ごとに見直しされます。

  • メリット :インフレに強い。
  • デメリット:当初の予想より受給額が少なる可能性がある。

(3)受取金額について

3つ目のポイントは受取金額で比較することです。

①定額型

定額型は、将来受け取る金額が確定しています。

  • メリット :元本割れの可能性が少ない。
  • デメリット:インフレに弱い。

②変額型

変額型は、契約者自身が運用商品から商品を選んで運用します。最初からまとまったお金で運用するため、保険料を一括で払う一時払のケースが多いです。

  • メリット :運用が良ければ、払込保険料より大きく増える。
  • デメリット:元本割れの可能性がある。

(4)積立通貨

4つ目のポイントは積立通貨で比較することです。

①円

円にて積立をします。

  • メリット :為替リスクを受けない。
  • デメリット:金利水準が低い。

②外貨

米ドル・ユーロ・豪ドルなどの外貨で積立をします。

  • メリット :保険料が割安。金利水準が円建てより高い。
  • デメリット:為替リスクがある。

なお、外貨建て保険は下記の記事を参考にしてみてください。

外貨建て保険とは?外貨建て保険のメリット・デメリット、加入実例をご紹介

(5)保険料の支払方法

5つ目のポイントは保険料の支払い方法で比較することです。

①月払い

毎月一定の保険料を払い込みます。

  • メリット :生命保険料控除の対象となる。
  • デメリット数か月連続で保険料が未納となると解約になる可能性がある。

②一時払い

所定の保険料を最初にまとめて払い込みます。

  • メリット :払い込み完了までの合計保険料が安くなる。
  • デメリット:まとまったお金が必要になる。

(6)保険の支払い手数料

6つ目のポイントは保険料の支払い手数料で比較することです。

個人年金を利用するためは、保険会社に手数料を払わなければなりません。保険会社によって手数料は異なります。

(7)年金の受取方法

7つ目のポイントは保険料の支払い手数料で比較することです。

①一括受取

一括で年金を受け取る場合、一時所得として税金がかかります。

  • メリット :まとまったお金が手に入る。
  • デメリット:税金がかかる。

②年金受取

年金として毎月受け取ることができます。

  • メリット :受取総額が一括受取に比べ、大きくなる。
  • デメリット:まとまった支出には対応できない。

以上が選ぶうえでのポイントになりますが、資産形成において重要なポイントは、将来自分がどのような老後生活を送りたいか、そしてその生活にいくらかかるかを計算してゴールを明確にすることです。その上で自分に適した手段を選ぶようにしましょう。

個人年金の仕組みなどについて詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。

個人年金とは?プロが教える自分に合った個人年金の選び方

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まとめ

個人年金についてみていきましたが、いかがでしたでしょうか?

年金の準備は長期的に行うものです。効率的な資産形成をするためにも、将来かかるお金を計算したうえで加入を検討しましょう。また、場合によっては保険では老後の資金を賄いきれないケースもあるので、金融商品という広い枠組みで検討してみてもよいでしょう。

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