日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が2019513日、都内で開いた記者会見にて「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べ、終身雇用の崩壊が公に露呈し始めました

あわせて副業がトレンドとなっている今、将来的に独立や起業を考えている方は非常に多いのではないでしょうか。そんな中で今回は、 

  • 会社員と自営業者での保険の違い
  • 自営業になった時の保険に対する考え方

などについてお話しさせていただければと思います。自営業の方、これから自営業を検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1、会社員と自営業ではこんなに保障の差がある

まず最初に、会社員と自営業での保障の差についてみてみましょう。

会社員と自営業は加入できる社会保険の種類も、その保険料の負担率も大きな違いがあります。 

(1)公的医療保険

公的医療保険 保険料負担者
会社員 健康保険組合や全国健康保険協会 労使折半(会社と本人が半分ずつ負担)
自営業 国民健康保険 全額自己負担

 

会社員が加入する公的医療保険は、中小企業で働く人を対象とした「全国健康保険協会」と、主に大企業で働く人が加入する「健康保険組合」があります。どちらの保険料も原則的には労使折半、すなわち会社と本人が半分ずつ負担することになります。

一方、自営業者が加入できるのは「国民健康保険」であり、その保険料は全額自己負担となります。また、会社員の場合は病気やケガで仕事を休む時に支給される「傷病手当金」や「出産手当金」は、自営業者が加入する「国民健康保険」では受け取ることができない為、給付の対象範囲にも大きな差があります。

(2)公的年金

公的年金 保険料負担者
会社員 厚生年金保険 労使折半(会社と本人が半分ずつ負担)
自営業 国民年金 全額自己負担

 

年金の場合は、大きく分けて国民全員が強制加入する「国民年金」と、民間の事業所に勤務する人が加入する「厚生年金保険」があります。

一般的に会社員の年金は二階建て構造と言われており「国民年金」に上乗せして「厚生年金保険」にも加入しています。つまり、年金に関しても、会社員は自営業者より手厚い保障があるといえます。

(3)雇用保険

失業期間中に失業給付やスキルアップのための職業訓練給付金を、受け取ることができる雇用保険は、事業所に雇われている従業員を対象とした保険です。よって自営業者は加入することができません。ただし、自営業者が従業員を雇った場合にはその従業員を雇用保険に加入させる義務が発生します。

(4)労災保険

労災保険は仕事中や通勤途中にケガや病気になった際に、保障を受けることができる制度です。こちらも雇用保険と同じように会社員として雇われている人は加入することができますが、自営業者は加入することができません

(5)介護保険

介護保険とは、高齢になり介護や日常生活の支援が必要と認められた場合に、介護サービスを受けられる制度です。40歳になると加入して保険料を支払っていきます。この保険については会社員と自営業者は同じ扱いになります。

上記の通り会社員は自営業者に比べ、加入できる社会保険も多くかつ、会社が保険料を負担してくれるのに対し自営業は基本的に自分自身で備えなければなりません。 

保険種類 保険料負担者
会社員 健康保険組合や全国健康保険協会 労使折半(会社と本人が半分ずつ負担)
自営業 国民健康保険 全額自己負担
会社員 厚生年金保険 労使折半(会社と本人が半分ずつ負担)
自営業 国民年金 全額自己負担
会社員 雇用保険 労使折半(会社と本人が半分ずつ負担)
自営業 加入できない
会社員 労災保険 会社が全額負担
自営業 加入できない
会社員 介護保険 公的医療保険者を通じて40歳から徴収
自営業 介護保険 公的医療保険者を通じて40歳から徴収

 2、自営業だからこそ抑えておくべき2つのリスク!オススメしたい公的保険

上記「1、会社員と自営業ではこんなに保障の差がある」にて、会社員と比較した時の自営業の保障と保険料負担率の差を踏まえて、自営業だからこそおさえておくべき2つのリスクをピックアップしました。

(1)介護と障害になった時の保障

自営業は特に万が一病気やケガで働くことができない、いわゆる介護状態や障害状態になった時の保障に備える必要があります

なる可能性は低くとも、ゼロではありません。備えることなくそれになってしまった場合は死亡以上に悲惨な状況となります。ここで効果的な保険が「収入保障保険」です。

これはその名の通り収入の保障となるもので、保険金を年金として受け取ることができます。保険期間と保険金額に関しては、ご自身のライフプランと照らし合わせながら設計することがベストです。

(2)長生きになった時の保障

この長生きリスクは将来的にお金が掛かる問題です。

自営業として仕事をしていくにあたって、公的年金を受け取ることができませんので必然的に会社員よりも年金額が下がってしまいます。

ご自身での資産形成、資産保全がより重要になっていきますが、かといって保険で不足する年金のすべてを賄うということは非効率です。保険の強みは「貯蓄性」ではなく「保障」である為に、保険は「保障」として、貯蓄は「貯蓄性」が強みである別の金融商品を用いることが将来の老後資金を準備していく上でポイントになります。

この点はまさに「餅は餅屋」だと言えるでしょう。 

3、自営業になる前にまずは保障を見直しする

独立や起業を考える際はまず、ご自身の保障を見直してみてください。 

上記の通り、加入できる社会保険の種類や保険料の負担者、負担額などに大きな違いがでてきます。

保障は家で例えた場合には土台の部分にあたります。土台がぐらぐらのところに立派な家を建てても、何かあった時には簡単に崩れてしまいます。

資産形成に例えても同じです。せっかく準備してきた資産があったとしても、保障がきちんと準備されていない場合は、自分の身に何かあった場合には将来のために準備したお金がすぐに無くなってしまいます。 

何かが起こってからでは手遅れとなり、身近な家族や従業員の方に多大な迷惑を被る可能性があります。

自営業として独立されている方は、会社や社会の保障が大幅に無くなる分、自分の身に何かあった場合のリスクをきちんとヘッジすることの必要性がより高まると思います。早め早めにリスクを考え見つけ出し、それを最小限に抑えることが重要です。 

まとめ

今回は自営業の方が保険に対する考え方について書きましたが、参考になりましたでしょうか。

自営業の方はぜひこちらの記事を参考に、ご自身の保障に関して、今一度見直してみてはいかがでしょうか?