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こちらの記事をお読みの方の中に、「小規模企業共済」への加入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「小規模企業共済」とはその名の通り、小規模企業の個人事業主や会社等の役員が退職した場合や、事業を廃止した場合などにそれを解約し、それまでの積み立てた掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度です。

生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておく、わかりやすく言えば経営者の退職金制度といえるものです。

少しずつ貯金していくことができる上に、掛金が全額所得控除できる等の税制でのメリットもあります。また小規模企業共済に加入している場合は事業資金の借入れも可能です。

今回は小規模企業共済の仕組み、加入するメリット、加入手続きなどについてまとめました。これから小規模企業共済への加入を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。

1、「小規模企業共済」とは?小規模企業共済の現況について

そもそも小規模企業共済とはなんでしょう。

(1)「小規模企業共済」とは

「小規模企業共済」とは、小規模企業の個人事業主や会社等の役員が退職した場合や、事業を廃止した場合などにそれを解約し、それまでの積み立てた掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度です。

(2)現在の加入状況は?

小規模企業共済制度の現在の在籍人数は約138.1万人、資産運用残高は約94,125億円です。

平成29年度の受給状況は、

  • 共済金受給額が約4,838億円
  • 共済金受給額の平均は1,087万円
  • 共済金受給者の平均在籍年数は約19

となっております。(平成303月末現在)

加入人数・在籍人数


出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HP

共済金の金額と人数


出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HP

2、小規模企業共済に加入するメリットは?

ただお金を貯蓄するだけであれば、他にもたくさんの貯蓄商品があるのですが、小規模企業共済に加入することによってどんなメリットがあるのでしょうか。

大きく下記2つのメリットが挙げられます。

(1)節税効果がある

小規模企業共済の掛け金は、全額が経費(個人事業主の場合は所得控除)となるため、掛けた分だけの節税が可能となります。

また、受け取る共済金(解約手当金)は、個人事業主であれば「退職所得」になる為、「事業所得」などに比べて税負担も大幅に軽減されます。

(2)貸付制度を利用することができる

小規模企業共済には「契約者貸付制度」を設けており、積み立てた金額の範囲内で共済から資金を借りることもできます。

例えば、毎月5万円を5年間積み立てていれば、「5万円×12か月×5年=300万円」までの借入が可能です。

3、小規模企業共済に加入する資格は?

では、小規模企業共済に加入するにはどんな資格が必要なのでしょうか。下記の加入条件があります。


出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HP

なお、常時使用する従業員には、家族従業員や臨時の従業員、共同経営者(2人まで)は含まれないこと認識しておきましょう。

小規模企業共済の加入条件に会社規模に対する条件が明確に決められていますので、これから事業規模を拡大する予定がある方は、規模が大きくなる前に加入を検討するとよいでしょう。

4、掛金はいくらから?実際に加入した場合のシミュレーション

上記、小規模企業共済の掛金全額は経費として計上できると書きましたが、実際に掛金はいくらまでかけられるでしょうか。

(1)掛金の仕組み

掛金月額は1,000円~70,000円までの範囲内であれば500円単位で自由に設定することができます。毎月支払うのが主流ですが、半年払いや年払いを選択することも可能です。

なお、掛金は増額・減額することもできます。ただ、減額の場合は一定の要件をクリアする必要です。

支払いは加入された方の個人預金口座からの振替となります。

(2)実際に加入した場合のシミュレーション

実際に小規模企業共済に加入した場合のシミュレーションを見てみましょう。

小規模企業共済のHPにあるシミュレーションツールを活用して、下記試算結果ができました。

①シミュレーション条件

②シミュレーション結果

結果、10年間小規模企業共済に加入して、毎年70,000円以上の節税ができてかつ、130%以上の返戻率できちんと貯蓄することもできました。

ご自身の状況に合わせて、ぜひシミュレーションをされてみてください。

5、小規模企業共済への加入手続きの流れ

ここまで読んでいただいた方は、小規模企業共済に加入したいと思われている方も多いと思われます。

下記にて実際に加入する場合の流れについて書いていきます。

(1)契約申込書・預金口座振替申込書を記入する

まずは「契約申込書」と「預金口座振替申込書」を記入してください。申込書はFAXもしくは資料請求フォームより請求することができます。

なお、記載する時の注意点については下記にて確認をしておきましょう。

①契約申込書の注意事項

共同経営者が申し込まれる際は、個人事業主の方に署名、捺印をしていただく必要があります。

なお、事業主が既に小規模企業共済に加入している場合は、その契約者番号も所定欄にご記入ください。

②預金口座振替申込書の注意事項

掛金の引き落としに使用する口座は、中小機構が業務委託契約を結んでいる金融機関の口座を指定してください。

また、契約申込者ご本人の個人名義の口座をご指定ください。

記入見本がありますので、参照にしながら記入されてみてください。

(2)関連書類を用意する

申請に伴って、関連書類も用意しておきましょう。

①法人役員の場合

法人役員の場合は「履歴事項全部証明書」(商業・法人登記簿謄本)などの、役員登記されていることが確認できる書類が必要になります。

基本的に、交付後3か月以内の原本が必要です。

②個人事業主の場合

個人事業主の場合は、「確定申告書」の控えが必要になります。

事業を始めたばかりで確定申告書がない場合は、「開業届」の控えを提示してください。

なお、「確定申告書」/「開業届」の控えには税務署の受付印が必要です。電子申告(e-tax)したために税務署の受付印が無い場合は、「確定申告書」/「開業届」に加えて、e-taxの受付確認メールの詳細を提示する必要があります。

③共同経営者の場合

共同経営者の場合は、下記3つの書類が必要になります。

■個人事業主の確定申告書の控え

上記を参考にされてみてください。

■個人事業主と締結した共同経営契約書の写し

共同経営契約書については、指定様式は無く、作成例を参考に作成されてみてください。

なお、事業に必要な資金の負担、または出資していることを確認できる、金銭消費貸借契約書や出資契約書の写しでも代用できます。

■報酬の支払い事実が確認できる書類

社会保険の標準報酬月額通知、青色申告決算書、白色申告決算書および賃金台帳、国民健康保険税・介護保険料簡易申告書等のいずれかをご用意ください。

(3)手続き窓口に提出する

小規模企業共済への加入手続きは、中小企業基盤整備機構が業務委託契約を結んでいる団体または金融機関の窓口で行う必要があります。

窓口としては、下記委託団体または代理店があります。


出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構HP

なお、代理店に関しては「一覧表」から確認してください。

加入手続きを行う窓口によって手続きが異なっており、郵送による書類の提出は受け付けておりません。

初回の掛金を現金でお支払いになる場合は、払込区分(1か月、半年、1年)に応じた金額のご用意が必要です。

(4)中小機構から「小規模企業共済手帳」などを受け取る

無事に手続きが完了し、問題なく加入できた場合は、申込日から約40日後、中小企業基盤整備機構から「小規模企業共済手帳」と「小規模企業共済制度加入者のしおり及び約款」が送られてきます。

一方、審査の結果、加入資格に該当せず加入ができない場合は、約2か月後に中小企業基盤整備機構からその旨を通知する書類が発送され、申込時にお支払いされた現金は、掛金の引き落としに指定された口座へお振込みされます。

6、小規模企業共済は元本割れの可能性もある?

小規模企業共済には元本割れの可能性があります。

中小企業基盤整備機構のHPでも、掛金納付月数が240ヵ月(20)未満の場合は元本割れとなることが明記されておりますが、加入後数年で(任意)解約してしまった場合などは、

節税効果 < 元本割れの金額

となる場合が多いため、加入には慎重な検討が必要になります。

また、積立時には節税ができますが、戻ってきた共済金に関しましては課税対象となりますので、「課税を繰り延べできる制度」であるということは、事前に認識しておかなければなりません。

7、小規模企業共済は途中解約可能?解約事由は?

小規模企業共済に「満期」や「満額」という設定はそもそもありません。個人事業の廃止や、法人(株式会社など)を解散した場合、役員を退任した場合などに共済金を受け取れる制度ですので、途中解約が随時可能となります。

また、共済契約者の立場や請求事由によって、お受け取りになれる共済金の種類が異なりますので下記をご参照ください。

(1)個人事業主の場合

①共済金A

  • 個人事業を廃業した場合(※1、※2
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合

1複数の事業を営んでいる場合は、すべての事業を廃止したことが条件となります。

2平成283月以前に、配偶者またはお子様へ事業の全部を譲渡したときは、「準共済金」となります。

②共済金B

  • 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)

③準共済金

  • 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をした場合

なお、平成2212月以前に加入した個人事業主が、金銭出資により法人成りをしたときは、「共済金A」となります。

④解約手当金

  • 任意解約(※1、※2
  • 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)

1個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした場合は該当します。

2平成2212月以前に加入した個人事業主が、金銭出資により法人成りをしたときは、「共済金A」となります。

(2)法人(株式会社など)の役員の場合

①共済金A

  • 法人が解散した場合

②共済金B

  • 病気、怪我の理由により、または65歳以上で役員を退任した場合(※)
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合
  • 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)

※平成283月以前に、病気または怪我以外の理由による退任をしたときは、「準共済金」となります。

③準共済金

  • 法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した場合

④解約手当金

  • 任意解約
  • 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)

(3)共同経営者の場合

①共済金A

  • 個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合(※1、※2
  • 病気や怪我のため共同経営者を退任した場合
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合

1事業主が複数の事業を営んでいる場合は、そのすべての事業を廃止したことが条件となります。

2平成283月以前に、配偶者または子へ事業の全部を譲渡したときは、「準共済金」となります。

②共済金B

  • 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)

③準共済金

  • 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をする場合

④解約手当金

  • 任意解約(※1、※2
  • 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)
  • 共同経営者の任意退任による解約

1転職、独立開業、のれん分けなどで共同経営者を退任した場合も、任意退任扱いとなります。

2個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をする場合は該当します。

まとめ

今回は、小規模企業共済について、その内容から加入の手続き、解約の流れまでをまとめさせていただきました。起業を検討されている方、個人事業主の方で退職金や経営存続へのリスクヘッジを取っておきたい方など、当内容がお力になれましたら幸いです。

ご質問やご不明箇所がございましたら、ぜひ当サイトの専門家に相談されてみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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